喘息で通院中の患者さんへ
Q ピークフローメーターとは何ですか
ピークフローメーターとはあなたの喘息の程度を簡単にはかれる道具のことです.
ちょうど高血圧の人が自宅で血圧を測るようにあなたの喘息の重症度を測るための道
具です.このピークフローメーターで測った値がピークフロー値です。
Q ピークフローメーターはどうやって使いますか
扱い方はきわめて簡単です。
ピークフローメーターについている赤い矢印を下まで下げます.
それからピークフローメーターを手に持ちます.
このとき息がでる丸い穴を手で塞がないようにして下さい.
次にピークフローメーターを口に当て大きく息を吸い込み,思い切り勢いよく吹いて下さい.
赤い矢印が上がった所の目盛りを読んで下さい.
これがあなたのピークフローの値です.
Q ピークフローメーターはどんな役にたちますか
ピークフローメーターはあなたの喘息の程度を測れます.たとえば喘息の調子が悪いときピークフローメーターの値は低くなります.
調子が良ければ値は高くなります.
つまり良いときには高くなり,悪いときには低くなります.
学校の成績と同じです.
ピークフローメーターを使うと以下のような利点があります.
- 毎日測定すると早期に悪化を知ることができ早期に治療を行うことができま
す.
その結果ひどい発作を予防することができます.
また自分の喘息の状態を自分で知ることができるので安心できますし納得ができます.
- 治療の効果を知ることができます.
皆さんの投薬内容は喘息の状態に応じて変更していきますが外来の診察のみでは家でどのような状態であるかをすべて知ることは困難です.
このためなるべく皆さんには質問をしていますが十分でないこともあります.
ピークフローメーターを使えば家庭での毎日の状態を容易に知ることができるうえ,担当医と話し合う基礎データともなります.
- 毎日ピークフローメーターで測ることで日中と夜間の変動を調べ喘息の不安定
性を知ることができます.
喘息が悪くなると朝方にピークフローメーターの値は低くなり夕方に高くなります.
皆さんも経験されたことがあるかもしれませんが喘息は朝方に発作が起こることが多いのです.
Q 具体的には一日何回測れば良いのでしょうか
通常一日2回朝と夕方,人により一日3回測定します.原則的には毎日測ります
が毎日できなければ週に2,3回,一日3回測定します.いずれも時間を定めて測り
ます.これは通常の喘息患者さんではピークフローの値が時間により変動するためで
す.
Q どれくらいの値が標準なのでしょうか
健常人の場合の値はその方の身長,年齢から標準値が決まっています.
ただし呼吸器疾患を持っている人ではその値は小さくなります.
例えば大量の喫煙を長年つづけてきた人ではピークフロー値が小さくなる傾向があります.また過去に結核を患ったり肺の手術を受けた人でも若干低くなります.
このため標準値よりも日常ピークフローメーターでピークフロー値を測定し、自分の最良のピークフロー値を知ることの方が大切になります。
これをベストピークフロー値といいます。
今、自分のピークフロー値がベストピークフロー値の何%になっているかを知る方が個々の管理の指標になります。
Q どんな値になれば良いコントロールなのでしょうか
喘息が良くなるとピークフローメーターの値(これをピークフロー値といいます)が大きくなってきます.
たとえば喘息がつづいている最中にはピークフロー値は100位ですが喘息がおさまってくるにつれて健常人に近い値になってきます.
これは人により異なりますが一番高い値をベストピークフロー値といいます.
調子の良いときに自分のベストピークフロー値を知っておきましょう.
また通常喘息が治まっていないときには朝方に発作が起こり易くピークフロー値が小さくなり昼になるにしたがってピークフロー値が大きくなってきます.
この日内変動が少なくなってくることも目安となります.
Q どのように記録していけば良いのですか
ピークフローメーターの購入時に記入用の手帳がついていますのでそれを使って下さい.
また外来受診時に担当医に見せて下さい.
家庭での喘息の状況がわかり大変参考になります.
Q いくらですか.またどこで売ってますか
ピークフローメーターは保険では支払われませんので個人負担となります。1900円で受付で実費で販売しています.
家庭での喘息の状況がわかり大変参考になります.
以上のようにピークフローメーターは正しく使えばあなたの喘息のコントロールに非
常に役立ちます。ぜひ有効に使って下さい。
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