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j2インフルエンザは通常の抗生物質では効果がありません。
それは、通常の抗生物質が細菌に有効ですが、ウイルスには全く効果を示さないためです。
そこで、インフルエンザに対しては、従来と異なった治療がなされています。
それが、タミフルという新しい抗インフルエンザウイルス薬です。
そこで、まずインフルエンザ感染症とはどのようなものか解説します。
まず、臨床症状として
 @突然の発熱(感染後24時間前後)
 A38.0℃以上の発熱
 B咽頭痛
 C全身倦怠感
の4つが揃えば臨床的にインフルエンザと診断されます。
ただ、不確定な場合は診断キットによる確定診断も行われます。
流行次期としては、1月下旬から2月の6週間が中心です。

j2 インフルエンザウイルス感染は、ウイルスが宿主細胞に取り込まれ、転写・複製の過程を経てウイルスの形成・出芽が行われます。
このときノイラミニダ−ゼという酵素がウイルス粒子上のシアル酸結合を断ち切り、ウイルス粒子の遊離・増殖を促進します。そのようにして、ウイルスは人体で爆発的に増殖し、2日間でピークに達します。その後、ゆるやかにウイルスは減少していきますが、高熱・倦怠感などの症状は1週間前後継続します。
インフルエンザが重症化することは稀ですが、抵抗力が落ちている高齢者では「インフルエンザ肺炎」などの合併症に注意が必要で、稀に命を落とす方もいらっしゃいます。できるだけ、予防接種を受けましょう。

インフルエンザに感染した場合、安易に自己診断しないでできるだけ早期にかかりつけ医師にご相談ください。

オセルタミビル(タミフル)は、ウイルスを殺して効果を発現するのではなく、先ほど説明したノイラミニダーゼを選択的に阻害し、ウイルスが遊離させないようにし、離散を妨げることにより、ウイルスの増殖を抑制する医薬品です。
そのため、ウイルス量がピークに達する2日間までに服用しないと十分な効果は得られません。
そこで、早期の治療が必要となるわけです。
また、タミフルを服用し、症状が軽減しても途中で服用をやめず、きちんと5日間服用しましょう。
それにより、周囲への飛沫感染を予防できます。
最後に、国立感染症研究所がホームページ(http://idsc.nih.go.jp)で流行情報を入手できます。
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