エピソード集


長瀞のゴミ事情

長瀞にはゴミ箱がないんですね。
全国どこでも駅に行けば、一つや二つのゴミ箱があるのは当たり前のことだと思ってました。
「長瀞では自分の持ってきたゴミは自分で持ち帰る」ということになっているらしいのです。
最初は、ウソだろう。ってタカをくくっていたのですがマジで見当たらない。
だから、来る途中で飲んだキリンラガーの空き缶を捨てる所がなくて。。。困った。
折田君がちょうどゴミを入れた袋を持ち歩いていたので、ついでだからとその中に入れてもらいました。
意外とすんなり受け入れてくれたので、けっこういいヤツだなぁと思いました。
彼もきっと捨てるとこぐらい何処かにあるだろうって思っていたに違いありません。
しばらくして、どこにも捨てる場所のないことを実感した彼はあせり始めます。
「これ、そのへんに置いていったらヒンシュクだろうなぁ。」とか「これ、ちょっと持ってて。靴の紐を結ぶから」と言って人に持たせようかなとか。
圭子ちゃんからは「そんなことしちゃだめに決まってるじゃない。」と釘をさされる始末。
私は内心、早めにラガー缶を入れてもらってよかった。と思いました。
駅前はお店が立ち並んでいて、お煎餅とかお餅とか色々売ってました。
でも、買ったら最後、手持ちのゴミがまた増えちゃうしなぁ。
買うにしてもゴミの出ないものを。。。という変な視点から考えるようになりました。
そうこうしている内に、おや?折田君。ゴミを持ってません。
圭子ちゃんからも「あれ?ゴミどうしたの?」って聞かれ、「あれ?おかしいなぁどうしたんだろ?」と得意のおとぼけ作戦にでました。
後ろで聞いていた山本君。「ああ、それだったら、トイレの小便器の上に置いてあったよ。」とぼそり。
あわてた折田君、「そんなの、俺のだっていう証拠あるの?」って開き直り作戦です。
山本君、ぼそり。「だって、キリンラガーの缶が入っていたよ。」
追い詰められた折田君、降参の巻でした。
次のエピソード
【目次へ戻る】