エピソード集


夜の大捜索隊

旅館の食事って、よく考えてみれば「つまみ」のような食べ物が多いような気がします。
これは、酒飲みにしてみればもってこいのメニューなんですよね。
風呂上りに浴衣着て、ビールを飲みながら、あっちこっちに箸をのばして「うーん。幸せだなぁ」って仕組みなんですから。
甘いものの好きな女の子からすれば、ペンションの料理みたいにムードのある洋食と食後のデザートっていうほうが好いのではないでしょうか?
食事のあと、おじさんたちが部屋に帰ってビールを飲んでいる頃、女性陣の間では一つの提案が持ち上がっていました。
「ねぇ。甘いものがたべたいよねぇ〜」
という千絵ちゃんの発声を合図に「くのいち部隊」は活動を開始したのでした。
夜の捜索隊の使命は「なんとしても甘いものをゲットすること」でした。
千絵ちゃん、のんちゃん、みいちゃんの3人はその使命を全うすべく夜の旅館をさまよい歩きました。
そして、すぐにその成果はでました。ショーウインドウにならんだ甘味の数々。
「千絵隊長!見つけました!」(こんなことは言ってないとは思いますが。)
狂喜するくのいち部隊。 ショーウィンドーを見て、のんちゃんは「クリームあんみつ」、みいちゃんは「抹茶セット」に決めていました。
千絵ちゃんの「くのいち部隊、突撃!」の合図に隊員全員 雲の上を飛び跳ねる思いだったでしょう。
ところが、お店に入ってびっくり。「もう甘味は終了しましたので、ここはカラオケルームとなっております。」との事務的な返事。
くのいち部隊の落胆は想像に余りあります。
もうそうなったら、「女の意地」ですよね。なんとしても見つけてやるう!となったのでしょう。
売店も閉まっている。自動販売機もジュースとビールしか売ってない。。。
窮地に追い込まれた隊長は、フロントに殴りこみです。
「甘いものは売ってないんですか?」という迫力に、「アイスクリームならありますが。。。」ということで部隊はやっとの思いでアイスをゲットしたのでした。しかし、アイスでは高まった感情を50%しか埋めることは出来ませんでした。
任務をまっとうできなかった悔しさは、おじさんには逆立ちしても理解できないことだと思います。
次の朝、さっそく売店で「みそまんじゅう」を買い込んでいる「くのいち部隊」を私は目撃しました。

【追伸】「みそまんじゅう」の清算中、レジ横に陳列してある「すまんじゅう」を発見したみいちゃん。
「これもおいしそう♪」と思ったそうです。あとで聞くと隊員全員同じ事を思っていたそうな。
ちなみに帰る日、西武秩父駅でみいちゃんはそれを自分用のお土産に買っています。
す。。。すさまじい。(byおじさん代表)
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