エピソード集


気づかなかった動機

二日目の朝は「紀の松島遊覧船」に乗る予定。
朝9時の便に乗らないと後の予定が狂うので僕はちょっと必死でした。
町田家とは午前11時45分に桟橋で会うことになっているからとか、色々考えていたとき。
「西村さん!太地からこっちへ戻る便は時間予約とかしなくて良いのかなあ?」
と千絵ちゃんが心配して言ってきました。
「うん、大丈夫だと思うけど、そう言われてみればそうだね」
おまけに、 「じゃ、私聞いてくるね!」
と担当のおじさんのところまで駆けていって聞いてきてくれるのです。
そして、「そんなこと気にしなくても大丈夫だって言ってたよ」って笑顔で報告してくれました。
僕は正直言ってその細やかな心遣いに感心しました。
旅行の先々の行程まで考えてくれる人が他にも居てくれたんだと。
おかげで、遊覧船は無事予定の便に乗れ、桟橋にも予定通り戻ってくることができました。
そのあと、町田家と合流し昼食をとり、千絵ちゃんは一足先に帰路につきました。
旅が全て無事完了し、こうしてホームページのエピソードを考えているとき、ふとそのときのことが思い出されました。
しかし、何であんなに積極的に心配してくれたんだろう?って。
よく考えてみたら千絵ちゃんは帰りの電車の時間もあったし、昼食を食べる時間が気になっていたのかも、と気づいたとき、目からうろこが落ちる思いがしました。
人間の行動にはやはり動機があるものなんだと。

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